――お父様はカメラマンから気功師へ、とユニークな転身ですね。
もともと人の世話をするのが好きな人だったので、占いにはまったようです。占いをするほうです。相談や悩みをもちかけられることが多かったので、人助けのために役立つかと思って勉強したら話題になったのでしょう。
そこから見えない世界に興味をもちはじめ、気功師になりました。治療を受けた人に直筆で経過や感想を書いてもらい、それを治療院の表に貼り出したところ話題になって患者さんが押しかけてきましたね。
――治療の体験談が功を奏したのですね。
今では当たり前ですが、当時、そんなものはなかった。アイデアのある父だったと思います。しかも今のように薬事法の縛りも厳しくないのでなんでも書けた。
それで評判になったのですが、逆に「そんなのインチキだ」というような電話もバンバンかかってきたといいます。それで広報宣伝はやめてしまいましたね。
――日本は昔からは八百万の神などといって、目に見えない世界を尊重してきたはずですが、なぜ、欧米諸国では認められているエネルギー療法などが、こんなにも認められないのでしょうか。
医療界が牛耳っているからだと思います。そして一般の人々はテレビなどに洗脳されてしまっている。見えない世界を全部嘘系の話にもっていこうとする。オカルトにしちゃうんです。霊感商法とかそういうことをピックアップするので「騙される」と思われてしまう。
医者でも悪い医者といい医者がいる。見えない世界の施術者にも悪い人といい人がいる。そんな当たり前のことが理解されません。悪い施術者がいると「見えない世界が悪い」「詐欺だ」ということになってしまう。
保険や集団検診、会社の健康診断、会社のカウンセリングといった社会のシステムとしても、まず医療系に頼ることになります。
――そんな中で、先生もお父様を手伝おうと気功や波動医学の研究を始めるのですね。
もともと私は、障がい者の方たちといっしょにコンビニエンスストアを経営していました。障がいのある人たちが働ける場を作りたいと思って始めたのですが、経営もその他の面でもなかなか大変なことが多く、先を考えていたときに父に「手伝え」と言われて。
今思うと、コンビニにしても何にしても、当時の私は無意識に「父に認められたい」という気持ちで行動していたような気がします。父から「一緒にやろう」といわれ、そのときにはすでに閉めようと思っていたコンビニを閉めて父の治療院で勤めだしました。
すでに父の施術は話題になっていましたが、同じようにエネルギー治療をしても治る人と治らない人がいる。それを突き詰めていったのは、先にお話しした通りです。