強度行動障害や発達障害の方々は、ひとりひとり違います。私たちと同じように。そして、何が気になって今この状況に集中できないのか、何がきっかけで極端な行動に出るかということも、みんな違います。
まずはひとりひとりが違うということを認識すること。その上で、気持ちが落ち着かない状況の傾向などはあります。色や音、凸凹や穴など、気になって仕方ない人が多い。ひとりひとりのことを理解しようとしていくと、それぞれ対処法も見えてきます。
気になるものをできるだけ排除していけば、今すべきことに集中しやすくなるでしょう。たとえばやるべきことの順番がきちんとわかるようにしてあれば、集中して正確に作業できるという方も多いのです。
――とてもお忙しい毎日かと思いますが、基本的にはどのような1日を過ごされているのでしょうか?
そうなんです。忙しいので、朝3時、4時に起きますね。
まずは事業所の計画書などをつくったり、給料計算をしたり。頼まれてホテルなどに三線(さんしん)を弾きに行くこともあるのですが、当日の朝から計画して練習したりしています。
5時過ぎくらいからは犬の世話。7時くらいになってご飯をちょっと食べてからホームに行きます。仕事のある方は、だいたい8時くらいに出勤されるので、そこからは職を探している方とハローワークに行ったり、通院に付き添ったり、障害福祉課に行ったり。
毎日決まった仕事というわけでなく、昼間は不定期、予定外でいろいろなことがありますね。もともと予定がなかった日なのに、朝からバタバタして「あれ? お昼ご飯食べる時間ないね」みたいな生活をしています。
寝るのはだいたい11時くらいですが、こういう仕事をしていると、突然呼び出されることもあります。夜はだいたいお酒を飲んでいますからタクシーを飛ばして行きます。もちろんしょっちゅうあることではないですけど、いつ何があるかわからない。