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たとえばお部屋のエアコン。
夏に18度にして閉め切って、ペンギンハウスになっちゃうとか。冬は30度に設定して熱帯だね、というふうになったり。そういった場合、エアコンの管理をさせてもらうこともあります。スマホの電源が過熱すると火事になるので、みんなが出勤した後に抜くこともあります。

 

ゴミ屋敷のような所で生活していた方も多いので、溜め込んでいたペットボトルを回収してきたり、あとはご飯はまとめてみんなの分をつくって提供します。

 

洗濯はひとりひとりでするのだけれど、それが難しい方には濡れたものと乾いたものの区別をお手伝いしたりします。お風呂がきちんと洗えず汚れていたら洗いますし、パブリックスペースのお掃除もします。

 

――利用者さんには、どのように接していらっしゃいますか?

 

なるべく特別な思いをもたないように、常にフラットになるように心がけています。
その方が何を考えているかということをお聞きして、たとえば「これは世間の常識とは違うな」というようなこと、ホームのルールに合わないなということは振り返りをしてもらうんです。

 

こちらが答えを出すのではなく「こういうことがあったけれど、どういうふうにお考えになりますか?」と。実は彼らみんな答えをもっているので、考えを尊重しながら「じゃぁ、これからどうしようか」という形で相談していきます。

 

こちらも感情がないわけではないので、いろいろな動きがあり、それを利用者さんも敏感に感じ取ったりはしているのでしょうが、自分としては常にフラットに、みんな同じように接するということを信条としています。

 

そして、ゆくゆくはホームを若い方に継いでいただいて、海外旅行を楽しみたいですね(笑)。
このおうちでずっと暮らして、将来的に亡くなる方がいた場合は骨は拾うという気持ちです。とはいえ、年齢を考えても、私が骨を拾ってもらうのだと思ってますけれど(笑)。

 

――障害のある方に対して、社会の見方がもう少し優しくなるといいかと思いますが…。

 

難しいですよね。誰かが悪いわけではないので。
でも、たまたまありがたいことに元気で、こうやって普通に話をすることができる私たちの方から、理解をしたいと歩み寄ることができたらと思います。

 

障害者、健常者というけれど、誰だって障害はもっているのではないでしょうか。私にもあります。それがどういう形で、どんなふうに表れるかの違いです。今の社会に適応できているから健常者なのであって、違う常識の中では私が障害者かもしれません。そういう想像ができるかどうか。

 

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