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――利用者さんは、どのような暮らしをしていらっしゃるのですか?

 

施設として、4LDKの家が3棟あります。ひとりひとりのおうちということで、個室で鍵をつけて、ひとりひとりの部屋になっています。小さいNPO法人なので、お風呂やトイレは共同ですが、部屋だけは自分のものになっています。

 

会社に行っている方が多いので、食事はみんな一緒に食べられないことも多いのですが、世話人さんたちが調理や配膳のお手伝いをしてくれます。

 

仕事は大手企業での清掃や組み立てなどが多いですね。6時に出かける人、8時半に出勤する人、それぞれバラバラです。

 

――利用者さんには、どのような背景があるのでしょうか

 

自身の障害の他に、ネグレクトや虐待を受けてきた方が多いです。その場合、学校の先生たちが気づいて児童相談所に相談して、そこから養護施設に入るとか。

 

高校までは自宅で暮らしていても、親御さんの療育の力が少なかったり、ゴミ屋敷だったりして学校に毎日来られない。ごはんもジャンキーなものしか食べられない。

 

そういう場合、学校の先生などが心配して、障害福祉課を通して結ばれるというようなことが多いです。「社会の中でうまく適用していくためのサポートがある」というように認識していただいています。

 

――ホームではみなさん、すぐになじまれますか?

 

時間がかかる方が多いですよね。対人関係が苦手な方が多いですし、とても下手な方もいます。私たちは、いつでも長い目で見ています。3か月、6か月、だいたい1年、2年すぎると「自分のおうち」という感じでほんわかしてきます。

 

ホームではイベントもあるので、そういう楽しみを通じて少しずつ利用者さん同士の距離が縮まるということもあります。

 

たとえば旅行で台湾に行った時は、男の子たちは男の子同士で、免税店の前に集まっておしゃべりしていて。「女の子たちは?」と見ると、女子同士集まっている。「なんだか自然でいい感じじゃない」なんてうれしく思ったり。

 

22、23歳くらいの子たちがメインなので、ベタベタするわけでもなく、自然な感じで一緒にいられるのがいいのでしょう。

 

もちろん、そういった雰囲気になれない人もいるので、無理強いはしません。それはその人の気持ちを尊重して、参加するもしないも自身の意思で。
ひとりひとりの家なので、みんなで一緒に何かをしなければいけないということはありません。

 

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